畠山理仁『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』を読む。
マック赤坂がとうとう港区議会議員選挙に当選したが、この本もいくらかは当選を後押ししたのではないか。泡沫候補というのは蔑称だとして、畠山理仁は彼らを「無頼系独立候補」と呼ぶ。どんな候補者にも、敬意をもって取材し報道する。ジャーナリストとして中立公正を重んじているのだろうが、それが物足りなかった。
著者はマック赤坂の人物像については語るが、その政策については語らない。テレビも新聞もはなから泡沫候補を差別し、マック赤坂のような立候補者は公開討論会にさえ呼ばれない。それでも果敢に挑み続けるその姿勢には、たしかに感動を呼ぶものがある。であるにしても、スマイルセラピーが政治家のやる仕事なのか。
たしかに現行の選挙制度には問題がある。供託金は廃止し、選挙運動期間も廃止すべきだと私は思っている。だが調べてみるとどうやら、肥後亨による背番号候補事件などにより、供託金は高額になり、マスコミも泡沫候補を締め出すようになったようだ。選挙妨害や売名目的で立候補するのを阻止するための対策だろうが、やはり民主主義である以上、誰の立候補も妨げてはいけない。
肥後亨グループに高田がんという人がいるが、私は子供の頃に高田がんの「学歴、職歴、語るほどのものなし」という政見放送を見て、なんだか胸が熱くなったのを覚えている。
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黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い (集英社学芸単行本)
- 作者: 畠山理仁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/01/19
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