経済学は役に立ちますか?

 竹中平蔵が政商と呼ばれるのは、パソナ会長ほか複数の大企業の取締役でありながら、民間議員として政策決定に関わり、自社に有利な政策を通すことで利益を得ているのではないかと疑われるところからきている。
 そこで、大竹文雄との対談本である『経済学は役に立ちますか?』を読んでみた。
 この本で竹中平蔵は、次のように述べている。
 ポリシーボード(政府の中で政策を調査・審議する場)は国民全体のために、どういう政策がいいかを議論する場であるにもかかわらず、実際は利益団体の代表の集まりであり、それぞれが自身の団体に有利な意見を述べる場となっている。

自分たちの立場をヒアリングで説明するのは問題ありませんが、ヒアリングの対象になるような人たちがポリシーボードの中に入っているのは問題です。露骨に言えば、被告人が陪審員の中に入っているようなもので、それが日本の霞ヶ関の制度です。こんなことをしてはいけないのに、日本のポリシーボードではまさに利益相反が平気で行なわれている。
(34頁)

 まさに「おまえが言うな」であるが、こういうことを臆面もなく言えるあたりが政商なのであろう。
 時代劇の「越後屋、おぬしも悪よのう」である。
bunshun.jp
blog.goo.ne.jp

経済学は役に立ちますか?

経済学は役に立ちますか?