神はなぜ沈黙しているのか

 マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』はまだ観てないが、遠藤周作の原作は読んでいる。
 長崎でキリシタンが弾圧されて、拷問によってむざむざと殺されているのに、神はなぜ救わないのか、と問うのである。神はなぜ沈黙しているのか。
 映画『マグダレンの祈り』が告発したのは、厳格なカトリックの戒律によって運営されていた収容施設内での、目を覆うばかりの児童虐待である。この映画の舞台となったアイルランドでは、カトリック教会が運営する施設の跡地から大量の子供の遺体が発見された。神はなぜ沈黙しているのか。
 コロンビアのトゥルバコ市では、厳格なカトリックの戒律によって、婚前交渉が禁じられている。そのため男たちは、ロバとセックスするのである。神はなぜ沈黙しているのか。答えは、はっきりしている。
 神は、いないのだ。