映画『マルタイの女』は公開当時に、あまりにつまらなくて途中で見るのをやめた。それでもこのまま見ないでいるのもなんだと思って、このたび最後まで見たんだけど、やっぱりなんでこんなつまらない映画をわざわざ作ったんだろうと思うくらいに、つまらなかった。
劇中、女優との不倫が発覚して追いつめられた津川雅彦が、いきなり拳銃を取り出して、相手を撃ち殺し、こんなことを口走る。
人生はじつに中途半端な、そう、道端のドブのような所で突然終わるもんだよ。
それで自殺するのである。
伊丹十三の最期を知った上で見ると、なんとも、ぶきみなシーンだった。