嫌な映画

 黒木瞳がテレビに出ていて、自分が監督した『嫌な女』という映画を宣伝していた。
 それでその映画のシーンがいくつか放映されたのだが、それを見ただけでつまらない映画だというのがわかった。だが、しばらくながめているうちに、もしかするとこれは黒木瞳にしか撮れないそういうたぐいの映画ではないかという気がしてきて、こういう映画こそ見るべきではないかという思いになってきた。それでいたたまれずに映画館に走ったのだが、こんな映画を見ている場合ではないと思い直した。