HKT48の「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の歌詞が女性蔑視だとして物議をかもしている。
「どんなに勉強できても愛されなきゃ意味がない」
これを女に言えば女性蔑視で、男に言えば教科書に載るわけか。山田詠美の『ぼくは勉強ができない』のことだ。
しかしね。ぼくは思うのだ。どんなに成績が良くて、りっぱなことを言えるような人物でも、その人が変な顔で女にもてなかったらずい分と虚しいような気がする。女にもてないという事実の前には、どんなごたいそうな台詞も色あせるように思うのだ。変な顔をしたりっぱな人物に、でも、きみは女にもてないじゃないか、と呟くのは痛快なことに違いない。
(『ぼくは勉強ができない』新潮社・P14)
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/03/01
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