なっきー主義

 内山奈月X南野森『憲法主義』を読む。小生は、AKB48というものにまったく興味がわかないので、内山奈月さんのことも存じ上げなかったのだが、じつに頭のよいお嬢さんである。
 集団的自衛権に関して、

アメリカと仲よくやっていかないと、日本の平和は守れないわけじゃないですか。
だから、そういう意味で、アメリカを守ることも日本にとっては「自衛」であるとは言えないんですか?(P212)

 と切り返すところなど、うなった。
 本書の内容もしっかりしている。憲法とは国家権力を縛るものである、だから「国民は憲法を守らなくていい」(P88)のである。ほとんどの人は、こうした基本さえ理解していない。
 おどろくべきことに自民党でさえこれを理解しておらず、その憲法改正草案の前文において、国民への義務を課すありさまである。いわく、「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」だの、「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って」だの、「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承する」だの、大きなお世話である。憲法において、われわれ国民は国家からそんな命令を受けるいわれは一切ないのである。
 なにしろ芦部信喜を知らない政治家がいて、それが総理大臣をやっているのである。小生は憲法を改正してもよいとする立場だが、さすがにこれは勘弁してもらいたい。
 さて話を戻すが、それにしても、これほど頭のよいお嬢さんが、なぜAKB48なんかに入ってしまったのか。
 小生は、憲法よりも、なっきーのことが知りたい。