となりの危険物

 先日、町田市の工場でマグネシウム火災があった。近くには民家もあるのに、この工場は無許可で操業していたという。
 危険物の規制に関する政令によれば、危険物の製造所は、付近の建物から一定の距離を確保しておかなければならない。これは火災や爆発があった際に、付近の建物への延焼などの被害を防止するためである。学校、病院、映画館、児童福祉施設、老人ホームなど多くの人を収容する施設からは30メートル以上。重要文化財からは50メートル以上、である。
 しかしこの規則であれば、人命よりも文化財のほうが大事だということになりはしないか。なによりも命が大切、とおっしゃるが、法律ではこう決まっている。これに抗議したとか、改正せよ、と訴えたという話は聞かない。