まさかの真逆

 Eテレの「SWITCHインタビュー」という番組で、内田樹観世清和が対談していたが、両者とも「真逆(まぎゃく)」という言葉を使っていた。「(能は)現代とは真逆の世界です」といった調子である。
 内田がこうした流行語を使うのは勝手だが、世阿弥の子孫で、650年の芸を受け継ぐ能楽師で、「伝統が持つ力について語り合いたい」というお人が、このような低俗な言葉を使うのはいかがなものか。