子供の将来は、親の学歴と年収で決まる

「一万時間の法則」というのをネットで知ったので、その種本というマルコム・グラッドウェル『天才!成功する人々の法則』を読んでみた。あの勝間和代が訳して推薦もしている。
 専門的な技能を身につけるためには一万時間が必要らしい。モーツァルトビートルズビル・ゲイツも成功するまでに、一万時間の訓練をつんでいる。だから成功したければ一万時間の努力をすればいい、かというと、そう単純ではない。才能のない者がいくら一万時間を費やしたところで成功できるわけはない。ブラック企業で一万時間も働かされたら、成功どころか確実に心身を病む。この本はさすがにそんな単純なことは書いていない。才能と努力にくわえて、運と環境が味方してくれないと成功できないのである。
 クリストファー・ランガンという百万人に一人の天才がいた。アインシュタインのIQが150のところ、彼のIQは195、高すぎて測定できないこともあった。16歳で『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』を通読し、大学進学適正試験で満点を取る。しかし大学は中退し、その後も職を転々、いまは農村で馬を飼育して暮らしている。勉強は続けているようだが論文を発表したことはなく、専門家からその価値を認められたこともない。ランガンはなぜ成功できなかったのか。それは家庭環境に原因がある、と著者は書いている。
 裕福な家庭というのは、親が子供の教育に熱心で、さらに文化的にも優位で、子供はおのずとコミュニケーションスキルを身につける。一方、貧しい家庭に育った子供はその逆である。ランガンの育った家は貧しく、父親からは虐待されていた。そのことで社会に敵意を抱き、孤独を好む性格になった。いくら天才的な頭脳を持っていても、コミュニケーションスキルがないために落ちこぼれたのだ。裕福な家庭の子供はおのずと成功してますます裕福になり、貧乏な家庭の子供はどれほど才能があっても貧乏なまま。この本が書いていることはそういうことである。
 残酷な話である。しかし事実である。成功できるかどうかは、生まれ育ちで決まる。日本でそういうことを書けば差別だと言われる。いや、アメリカであろうと差別である。
 成功した弁護士の家系について書いた章など、さらにひどい差別である。ニューヨークで成功した弁護士の多くはユダヤ人である。その先祖はヨーロッパからアメリカに渡ってきたユダヤ移民で、洋服の仕立て屋ぐらいしか仕事がない時代に、それでも刻苦精進して財を成した。すると彼らはその金を子供の教育につぎ込んだ。高い教育を受けた子供たちは医者や弁護士になり、さらに裕福な暮らしをするというわけだ。アメリカも階級社会である。そこで自由競争をやれば、あらかじめ資産がある者が勝つのは当然。金で才能を買うことはできないが、自分の子供をいい大学に入れることはできる。
 これを日本に置き換えると、在日朝鮮人がパチンコ屋で財を成して、わが子の教育に金をかけて医者や弁護士にするようなものだ。芸能人が有名私立に子供を入れるのもそうである。才能とは何か? 遺伝と家庭環境である。子供の将来は、親の学歴と年収で決まる。

天才!  成功する人々の法則

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