じゃんけんで決めればいい

 AKB48のじゃんけん大会というのを見てはいないのだが、総選挙よりよほどいい企画だと思った。世の中の揉め事のほとんどは、じゃんけんで決めればいいのである。
 なにか揉め事がおこると、「それじゃ、話し合いで解決しましょう」というのが民主主義である。しかし、話し合いで解決できるものなど、何もない。そこで、多数決である。正しいか誤っているかではなく、人数の多い方が勝つのである。こんなバカなことはない。負けた方は納得できない。
 しかしながら、たとえ相手が正しく自分が間違っていて、負けるべくして負けたとしても、負けた方は決してそれを認めない。論争がそうである。いくらこちらが正論で相手をやり込めようとも、負けた方は決して納得しない。負けるということに、屈辱があるからである。
 話し合いなど、ムダである。じゃんけんで決めればいい。じゃんけんで決めて悪いことなど、世の中にはほとんどない。
 さて、ここからは余談であるが、AKB48のじゃんけん大会はヤラセではないかという疑惑があるようだ。しかし、じゃんけんでヤラセは無理だろう、と私は思った。ところが、読売新聞の「秋元康の1分後の昔話」というエッセイで、秋元康は次のように書いている。

そのあまりに出来過ぎた結果に「八百長じゃないの?」という人もいるが、100%あり得ない。AKB48グループはいつだってガチだ。

 私はこれを読んで、やっぱりヤラセだったのかと、がっかりした。秋元康の言葉を、そのまま信じる人はいない。
 では、どうやって八百長を行ったのか。それもこのエッセイに書かれている。

その頂点に立ったのが「島崎遥香」という次世代のセンター候補だった。ずっと、チョキで勝ったという。<中略>
では、なぜ、島崎遥香が強かったのか? それは、きっと、”腹の括り方”が違っていたのだと思う。チョキで負けたら、しょうがない。でも、私には運がある。大丈夫。そんなことを心の中で考えながら、チョキを出し続けたのではないか? 今度島崎遥香に会ったら聞いてみよう。
(引用終わり)

 ずっとチョキで勝ち続けるなど、数学的にあり得ない。