ハエみたいなもの

美術手帖』(2012年7月号)で、デミアン・ハーストの特集。
「一千年(A Thousand Years)」という作品では、巨大なガラスケースの中に、切り落とされた牛の頭と大量のウジ虫。そして天井には電撃殺虫灯。
 牛の頭をエサに、ウジ虫から成長したハエは、ガラスケースの中をぶんぶん飛び回り、殺虫灯にぶつかって死ぬ。しかし生き長らえたハエは、交尾し子孫を残す。そしてまたウジ虫がハエとなり、飛び回り、殺虫灯にぶつかって死ぬ……。そういう作品。
 誰でも思いつきそうなアイデアだが、見せ方がうまい。おれの人生なんてハエみたいなもんだ。