コミックバンドなんかいらない

中国のことばかり言えない「パクリ天国」日本

 少し前にこんな記事が出て、それについて2ちゃんねるのスレがにぎわった。
 日本のミュージシャンがどれほど洋楽からパクってきたか、そういうのはネットを調べれば、ぞろぞろ出てくる。
 おれが日本のロックやポップスや歌謡曲を聞かなくなった一番の理由は、ある時、そういう盗作だらけの現実に気づいたからだ。ひでえもんだ、と思った。おれが十代の頃にファンだったアーティストのほとんどは、泥棒だった。洋楽のフレーズをパクり、歌詞をパクり、コンセプトをパクり、メッセージをパクり、それで平気な顔して自分の作品だと売りつけているのだ。
 今ならそいつらを笑ってバカにできるが、若いころはかなり傷ついたものだった。大人を信用するな、と言ったロッカーがいたが、そいつが一番信用できない大人だったのだ。
 誰がどれをパクっているかというのは、youtubeができてから簡単に比較できるようになった。2ちゃんのスレに貼られていたyoutubeのリンクで、いろいろ聞き比べていると、またあの頃の腹立たしさがよみがえってきた。
 youtubeができたとき思ったのは、これで邦楽のパクリが全世界に知れわたるぞ、ということだった。日本で人気のミュージシャンの曲を、イギリス人やアメリカ人が聴いたら、激怒するか嘲笑するか。訴訟好きの連中だから、本家から多額の著作権料を請求されるミュージシャンも出るかもしれない。そうなれば少しはカリスマの化けの皮もはがれるだろう。日本の音楽文化の発展のためには、そのほうがいい。

 さいきん腹立つのは、あの日産のコマーシャルに出てくる「低燃費少女ハイジ」だ。不愉快極まる。
 なんだあれは。あんなくだらないパロディをテレビで流すなよ。同人誌レベルの発想だろ。こんなのでクリエーターとか呼ばれんのかよ。『アルプスの少女ハイジ』のファンはあのCMにもっと怒れ。


ハイジに会いたい!―物語の背景とスイスアルプスへの旅

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