西原理恵子ほうろうき

社民党保坂展人はかつて「反管理教育運動」の闘士で、「青生舎」というグループを主宰していた。そこはそうした左翼運動に共感する若者たちの活動の拠点になっていて、そこに関係していた若者でのちに有名になったのが、外山恒一藤井誠二西原理恵子だったりする。
youtubeにある動画を最後にリンクしておくが、そこで保坂展人は、ブルーハーツ辻仁成尾崎豊の名前もあげている。

それで青生舎が出していた本に『高校中退生き方ガイド』(労働教育センター・1991年)というのがあって、保坂展人西原理恵子に取材して記事を書いている。(記事の初出は、雑誌『明星』1990年12月号「保坂展人の元気印タイフーン」)
二人の関係は記事の中に書かれているので、それを引用する。サイバラ、当時25歳。

高三での退学処分。西原理恵子の逆襲。
『ちくろ幼稚園』の西原理恵子は、退学処分への怒りをギャグで爆発!!

ある日、漫画週刊誌をパラパラとみていたら「西原理恵子」という聞き覚えのある名前が目についた。ひょっとしたら――と、ぼくは記憶の糸をたぐり寄せた。
今から8年前のことだ。
ぼくは、高知で3人の女子高生に出会った。高校3年生で卒業間近だというのに3人は「退学処分」を受けて、今学校側と争っている最中だというのだ。
その3人の中に西原理恵子さんはいた。向こうっ気の強い負けず嫌いの女の子だった。
彼女が今、漫画家として活躍しているということを知って嬉しくなった。
8年前の夏のことだった。
理恵子さんと、2人の友だちは好奇心からパブに入って、ちょっぴり大人の気分を味わっていた。彼女たちの姿を1年年上の先輩の卒業生が見ていて、なんと生徒部長の家に通報したのだった。
その先生は、強引に店から理恵子たちを連れ出して、「先に帰った子の名前を吐け!」とものすごい剣幕で責め立てた。理恵子たちが頑として答えないでいると、先生はなんと警察に突き出したのだった。深夜0時から2時まで取調べが続いた。机をガンガン叩かれたり、先生にアゴをつかまれたりという荒っぽさに恐怖が走った。
そして翌日。3人は問答無用に「自主退学」をするように先生に言われた。理恵子たちの親も、娘たちを叱りながらも、ウムを言わさない学校のやり方に疑問を持った。たしかにパブにいたのはいけなかった。
けれども、たった一度の過ちで、卒業間近で首にされてしまうとは!
学校との話し合いは平行線に終わり、3人は「強制退学」の処分になった。
そして、裁判で学校と争うことになったのだ。
ぼくは、彼女たちを応援することを約束してテレビや新聞で事件を大きく伝えた。読者からの反響の手紙を彼女たちに届けて励ましたのを覚えている。卒業目前で高校を放り出された3人は、翌年の「大学入学資格検定試験」に挑戦して、見事に合格した。
裁判は2年間続いて「和解」となった。3人を退学にしたT女子高校は、謝罪に慰謝料をそえたと言う。

この事件はかなり話題になったようで、当時の新聞や雑誌にいろいろ出てますから、興味を持った人は図書館で調べてくださいね。
その後、西原理恵子は上京して浪人のあと、武蔵野美術大学に入学、卒業します。また、漫画家としてもエロ雑誌のカット描きから始めて、この取材時すでにレギュラーの連載を十本以上抱える人気者となっている。
記事の引用を続けます。

そんな漫画家、西原理恵子の中に8年前の「事件」は、何らかの影響を及ぼしていることだろうか。
「自分を『不良』と決めつけて、退学させた学校を見返してやりたいって気持ちはフツフツとありますね。あの事件がなかったら、今の仕事に入っているかどうかわかりませんよね」
たとえば、最初の仕事のきっかけになったのが『エロ漫画誌』だった。漫画家志望の女の子も多いけど、「そんな雑誌には」と尻ごみをしてしまう子の方が多い。
「あの事件で私は覚悟が決まってしまったんです。矢でも鉄砲でも飛んでこいって感じで、漫画で仕事が出来るなら、どんなチャンスも生かさなくてはと思ったから」
8年前の「元問題少女」は、学校が張り付けた「不良」のレッテルを粉々に砕いて今日も健筆をふるっているというわけだ。
最初の単行本『ゆんぼくん』(竹書房)も好評発売中だ。これから続々と本も出る予定。頑張って!
(引用終わり)

こういうことがあって、西原は保坂展人を人生の師と慕うようになったと言われているが、はたしていまもそうなのか。社民党支持なのか。福島瑞穂辻元清美についてはどう思うのか。大学時代にホステスのバイトをしていたことまであけすけに語っているわりには、青生舎や「元気印」のことに触れないのはなぜか。など、いろいろ興味は尽きませんが、これから西原理恵子に取材する人は、そういうところまでつっこんでもらいたいものです。
保坂展人が「青生舎」についてちょっとだけ語っている動画はこちら。


高校中退生き方ガイド

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