もうお金なんか作らないでほしい

赤瀬川原平というと「千円札裁判」が知られておりますが、*1かんたんに説明すれば、千円札を勝手に印刷して、それを芸術作品として発表したところ、「偽札」として警察に取り調べられて、有罪判決を受けたという事件。
それからさらに、赤瀬川氏は、今度は本物の「零円札」なるものを作る。

本物の紙幣というがそこには「零円」と書かれてあり、だとするなら紙幣としての価値はゼロということになる。ここまでなら、まあたんなるパロディである。
おもしろいのは、赤瀬川原平は、この紙幣をたしか一枚千円で販売(交換)していた。
この交換がどんどん進めば、どうなるか。
赤瀬川氏のもとには、千円札が集まり、市場には零円札があふれる事態になる。本物と偽物の立場が逆転するのだ。
そうして紙幣が紙クズ同然となり、貨幣経済は崩壊する。
私有財産の廃止を唱えた人はいるが、貨幣の廃止を唱えた人っているかな。共産主義者の諸君よ、本気で貧富の差をなくしたいと考えるなら、貨幣そのものを廃止すべきではないかね。


想像してごらん、お金なんかないんだと。

*1:知らない人はウィキペディアで調べてくださいね。