ウィル・スミスはうるさい

テレビで『幸せのちから』という映画をやっていたので、どうせつまらなそうだったんで部屋を掃除しながら見たんだけど、やっぱりつまらなかった。
ホームレスから億万長者になる話というので、まあ前半はいろいろ悲惨なことが起こって、その対比で後半はぐっと盛り上がってハッピーになるんだろうな、なにしろハリウッド映画だからなそれが黄金パターンだ、などと思いながら前半のつまらなさはガマンしていたんだけど、これがあなた、1時間が過ぎてもまだ貧乏暮らしだし、1時間30分が過ぎてもまだホームレスだし、おいおい残り時間が少ないけど、どうすんだウィル・スミス、と思ってたら、10時52分が過ぎてもまだホームレスだ。
放送時間が延長になるのか、とほっとしたのもつかの間、ようやく証券会社の正社員になって、さあこれからだぞ、と思ったら5分で終了。
ラストは、「その後、私は独立して成功した」って、ナレーションで終わりかよ。どうやって成功したのかそこをみせるのが映画だろよ、ばかやろう。
けっきょく、ウィル・スミスが子供を連れて、うろうろしてただけじゃねえか。
証券会社のああいう連中がサブプライムローンを売りまくって、世界を恐慌に陥れたんだな。まあ、ご立派なことで。この映画が教えてくれるのは、アメリカというのは1人の億万長者の下に100人の乞食がいて、その乞食が自分だってがんばれば億万長者になれると信じているような国だということね。
まあ、あれだ。
新藤兼人の『狼』という映画を見ろよ。
保険会社の横暴さとか、セールスマンの過酷さとか、貧乏とか、高度成長前の日本はこんなにも貧しかったんだな。昔はよかった、なんてのは真っ赤なウソだ。

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