ワイン脳

日テレで放送中のドラマ『神の雫』であるが、じつにおもしろい。
世界的なワイン評論家が死に、20億円のワインコレクションが残された。そしてその遺言状には恐るべきことが書かれていた。彼には二人の息子がいた。その二人でワインの銘柄を当てる対決を行い、その勝者に、なんと遺産のすべてを譲渡するというのだ。
じつに刺激的なストーリーである。
それに加えてドラマの中で披露されるワインの薀蓄がすばらしい。
なんでも、ワインの本場であるフランスでも「フランス人にとっても知らなかった知識が出てくるマンガ」と絶賛されているらしい。これはお墨付きを得たようなものだ。日本人は自信を持っていい。この原作を読んで、ワインを勉強する人もいるだろう。
私は残念ながら原作は読んでいないのだが、テレビドラマは毎回欠かさず見ている。
これは今世紀最高のドラマである。
放送日が待ちどおしいほどである。
なにより見せ場は、亀梨和也が演じる神咲雫と、田辺誠一演じる遠峰一青との、ワイン対決だ。二人の迫真の演技には時間を忘れて見入ってしまう。神咲雫が亡き母を想う場面では、不覚にも涙してしまった。この二人は掛け値なしに、日本を代表する俳優だ。
さて、気になるのがドラマの結末である。
ワイン対決に勝利して、遺産を相続するのは誰か。
それを考えると夜も眠れない。
勝つのはどっちだ? じつに悩ましい。
そこで私の予想を書いてみる。
おそらく勝つのは、神咲雫だと思う。ワインに関する知識は素人同然だが、やはり彼は天才だ。父親から英才教育を受けてもいる。対する遠峰一青は、優秀なワイン評論家であるものの、やはり努力では到達できないものがある。それこそが天才の証なのだ。そう考えるとこれは、モーツァルトサリエリの物語である。
遠峰一青は勝負に敗れる。
しかし彼のことだ、このままでは終わらせない。
彼にも意地がある。
おそらく、勝利の美酒に酔っている神咲雫にむかって、遠峰一青はこう言うにちがいない。
「おまww、勝ったと思ってんのかww、これで遺産がぜんぶ自分のものだと思ってんの? 調子のってんじゃねえぞww。
法律ではな、遺留分というのがあるんだよww、父親がいくら遺言で、一人の息子に全財産を譲るって書いてあっても、そんなのは認められねえんだよ! 
ざんねんでしたwwww、うへえww、
おれはこれから裁判所に行って、遺留分減殺請求をするもんね、そうしたら相続財産の一部はもらえるんだぴょんww。
オヤジはワインにはくわしくても、法律の初歩も知らないんだなww、ワインを飲みすぎて脳ミソくさってんじゃねえかww、おまえらただのアル中のバカ親子だろww。
それに相続税もかかるんだぞww、どうすんだww、おまww、
20億も相続したら相続税を払うために、ワインコレクションも豪邸もぜんぶ売り払わなくちゃならねえぞww、ざまあww。
なにが、アルタ・エゴ シャトー・パルメだよww、そんなもん覚えるヒマがあったら、六法全書でも読めよww。ワインのソムリエ資格より、行政書士の資格のほうが役に立つんだよww、ユーキャンで勉強しろww」

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