「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
という有名な短歌で、サラダに味があるかよ、などと思っていたのであるが、あれは本来、「からあげ」だったそうな。
俵万智『短歌をよむ』（岩波新書）に、その推敲過程が出ている。
カレー味のからあげ君がおいしいと言った記念日六月七日
「カレー味がいいね」と君が言ったから今日はからあげ記念日とする
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
短歌とか俳句の推敲というものが、いまいちわからなくて、「サラダ記念日」の方が、「からあげ記念日」よりよさそうに思えるのは、後付けで考えているからではないか。
おれなどは、最初のやつの方が、なんか素朴でいいと思う。
映画でも、劇場公開時のものより、再編集されたディレクターズカットの方がいい場合もあるし、もしかしたら未編集のテープが一番面白いんじゃないか、などと思うことがある。
