身を捨つるほどの祖国はありや

映画『靖国』が、右翼の脅迫だか、政治家の圧力だかで、上映中止になったそうで、まあ、それがかえって宣伝になり、けっきょく上映館は増えたとか。

そんなに見せたけりゃ、テレ朝の「日曜洋画劇場」で放映すればいい。

表現の自由を守れとか、自分は安全な場所にいて言うのは楽だけど、右翼に脅された映画館主の身になってみれば、他人が作った映画のために殺されてはかなわないと、思うのも、やむなし。

嶋中事件や、赤報隊事件のようなことが、また起こったらどうするのか。

深沢七郎の小説『風流夢譚』と、大江健三郎の『政治少年死す』は、いまだに封印作品となっているが、大きな図書館で掲載誌を探せば、コピーできるし、ネットで無断掲載しているサイトもある。

じつは、暴露本で有名な鹿砦社が、『スキャンダル大戦争2』(2002年)というムックを出して、これに、二作品を全文掲載した。

発売時に、おれは書店で見つけて、すぐに買ったが、アマゾンの古書価格では、もう5,889円か。
深沢七郎はすでに亡くなっているが、大江健三郎が、この掲載に抗議したという話は聞かない。右翼が抗議したのかどうかも、知らない。

中島貞夫監督の『日本暗殺秘録』という映画を、ずっと前から見たいと思っているのだが、中古ビデオも見当たらない。これにはどんな理由があるのだろうか。