バタイユ太郎

岡本太郎というと、両手を広げ、目玉をひんむいて、
「むん! むん!」
とか唸っている変な人というイメージですが。

じつはたいへんなインテリでございまして。

青春時代を1930年代のパリで過ごす。
参考:岡本太郎年表

1930年、19歳でパリにやってくるや、リセの寄宿生となってフランス語を学び、パリ大学ソルボンヌ校でヘーゲル美学を受講。

21歳。
サロン・デ・シュール・アンデパンダン展に《空間》を出品。
批評家に賞賛される。

22歳
「アプストラクシオン・クレアシオン」に最年少で参加。
セリグマン、ドローネー、アルプらと親交を結ぶ。

1936(昭和11年)25歳
マックス・エルンストに誘われ「コントル・アタック」の集会に参加。
ジョルジュ・バタイユと出会う。

1938(昭和13年)27歳
国際シュルレアリスム・パリ展に《傷ましき腕》を出品。
アンドレ・ブルトンシュルレアリストらとの親交が深まる。
バタイユからの推薦により、秘密結社「アセファル(無頭人)」に参加する。
パリ大学でマルセル・モースに師事し、民族学を学ぶ。(最終試験にみごと合格)

1940(昭和15年)29歳
ドイツ軍によるフランス侵攻により、帰国。

戦争の時代に、これだけ贅沢な青春を送った日本人が他にいるだろうか。
ブルトンバタイユと、ともだちだったんだぜ。
当然、フランス語もペラペラだし。

岡本太郎のちょっとおかしなしゃべりかたは、フランス語なまりだったのか。
むん!