黒澤映画のDVDが、格安で販売されていたけど、裁判で、販売差し止めとなるらしい。
<廉価版DVD>黒澤映画著作権認め販売差し止め
著作者が個人の場合は死後38年間、団体名義の場合は公表後33年間と規定。(1899年制定の旧著作権法)
1971年施行の現行著作権法は、公表後50年(04年の法改正で70年)とし、現行法施行前の作品については満了日が遅い方を適用すると定めている。
しかし、著作権をうるさく主張することは、映画会社にとって、自分の首を絞めることになるのでは。
あるデザイナーが、『12モンキーズ』に出てくるイスのデザインが、自分の作品と似ていると主張したために、映画の公開が延期になったことがあったそうだ。
こういう主張を際限なく認めてしまうと、エキストラから衣装のデザイナー、偶然映りこんだ通行人や企業ロゴまでが、著作権(肖像権)を主張するようになり、映画なんて撮影も公開も、できなくなる。
映画会社とすれば、公開できずに倉庫に眠らせておくよりかは、どんどんDVDで販売したいところだろうし、古い映画でも「廉価版」なら売れるだろうし、著作権なんて早くクリアにしたいと考えているだろう。
だからようするに、黒澤の場合は遺族がゴネているだけではないか。
小津安二郎は独身だったから、ゴネる遺族もいないようで、古い作品は廉価版DVDとなっている。
Yahoo!動画は、無料で見られるわけで、「世界名作ライブラリー」は、本当に名作ぞろいです。
自転車泥棒、市民ケーン、サンセット大通り、駅馬車、ヒッチコックの名作…。
これがなんでタダなのかというと、著作権の保護期間が終了しているからなんですね。パブリックドメインってこと。
500円くらいの名画DVDが販売されているけど、ああいう作品も、パブリックドメインですね。著作権料を払わなくていいから、安くできるのでしょう。どことは書かないが、パブリックドメインの映画を、有料配信しているサイトもあるけど。
町山智浩の『ブレードランナーの未来世紀』によると、1980年代のカルトムービーはすべて、『素晴らしき哉、人生』と『三十四丁目の奇跡』に影響されているそうですが。これらの名作も、著作権が切れていますね。
日本映画でも、著作権切れのものは多いし、戦前の活動写真とか、牧野省三、衣笠貞之助、伊藤大輔、なんてところの映画は、どっかの研究所の倉庫で死蔵させているのなら、ネットで無料配信してはどうですかね。豪華な美術館を建てるより、よっぽど文化的だと思うが。
既成の映像や音声を、面白おかしく編集したものを、MADムービーというらしい。
外山恒一の政見放送に、勝手に音楽をつけたり、映像を逆回転にしたり、といった映像がYouTubeに投稿されていましたね。ああいうのが、MADムービー。
著作権を規制するばかりじゃなくて、むしろパブリックドメインの映画なんかを、どうぞ勝手に編集して遊んでください、と提供してはどうですかね。
レンタルビデオの店員が、のちに、タランティーノという映画監督になったが、ニコニコ動画で遊んでいる高校生の中から、未来のゴダールは生まれると思う。