フェデリコ・フェリーニの「崖」という映画をDVDで、見たんだけど、
その解説に、まちがいを発見。
【この映画のストーリー】
詐欺師のアウグストは、仲間と組んで詐欺を繰り返していた。神父に化けたアウグストは、貧しい百姓一家から献金をだまし取る。
しかしその家族には小児麻痺で苦しむ娘がおり、同じ年頃の娘を持つアウグストは、良心の呵責を覚える。
そこで、DVD(販売元IVC)の解説では、
娘と同じ年ごろの小児マヒに悩む女の子は、彼(注-アウグスト)を本物の神父だと思い込む。
その瞳に心を動かされて(彼は)だました金を返してしまう。
それは仲間を裏切る結果となり、怒った仲間に殴り倒される。
このようにアウグストは、「金を返してしまう」となっているんだけど、映画を見ると返していない。
詐欺の仲間には、「女の子にお金を返した」と言うけど、じつは隠し持っていて、それは、お金を独り占めするためのウソだった。
アウグストは病気の女の子に同情はするけど、やっぱり詐欺師としての本性は変わらず金は返さない。
というのが、この映画の設定ではなかろうか。
goo映画の「あらすじ」では、次のようになっていて、おそらくこっちの方が正しい。
(アウグストは)
他の仲間と再び僧侶に化ける仕事をはじめた。一軒の百姓家を訪ねるとそこに自分の娘と同じ年頃の半身不随の娘がおり、彼を本当の司祭と信じて祝福を願った。
ペテン師の胸にもふと後悔の念が浮んだが、その帰路、彼はもうけた金を一人占めしようとし、仲間から崖の下につき落された。
女の子に同情してお金を返すのと、返さないのでは、人物設定が大きく食い違うし、この映画の解釈も変わってくるだろう。
ちなみにDVDの解説を書いているのは、日野康一氏なのだが、この先生にはガセネタも多いのだとか。
まあ、そういうわけなんで、大先生のガセネタのひとつを発見できて、おれも、光栄であります…(笑)