日本沈没です

映画『日本沈没』を見ました。
といっても、1973年版、森谷司郎監督のやつですけど。

やっぱり、藤岡弘ですな。リメイク版は、主演がミスキャストで、それだけで減点。柴咲コウのほかは、べつに死んだっていいや、という俳優ばかりですし。

オリジナル版も、映画自体は、さほど面白いものではなくて、まあ、たんに日本が沈没するだけの話ですし、しかも、科学的に日本だけが沈没することはない、ということは、わかりきっているわけでして、あれがヒットしたのは、ノストラダムスの大予言がヒットしたのと同じく、当時の世相に負うところが多いでしょう。

日本沈没ではなくて、「長野県だけ沈没」とかにしたほうが、よかったです。

小説家としての小松左京はすごいですが、まあ、先生が映画に関わると、ろくなものにならないというのは、『さよならジュピター』『首都消失』で、痛いほど、わかっておりますし。

お元気であらせられるだけで、なによりです。

DVD版のコメントで、自分は7年かかって、「日本沈没」を書いたのに、筒井康隆が3日で「日本以外全部沈没」を書いて、星雲賞をもらった、と、嘆いておられました。

小松左京先生の短編をまとめて読み返してみたのですが、思っていたのよりずっと、戦争の影が濃いのですね。このあたりのことは、改めて考えてみたいなあと思っております。

それで、「戦争はなかった」「くだんのはは」
あたりを映画化してもらいたいです。