近頃のテレビというものは

テレビドラマを見ていて、どうも目が疲れると思っていたのだが、その理由がわかりました。
稲増龍夫教授が、読売新聞に書いておられます。
それによりますと、稲増氏は、

大学の映像制作実習という授業で、受講生と一緒に、「テレビドラマ演出」について実証的な研究を進めており、ここ数年、過去の代表的なテレビドラマから現代のドラマまでの「カット数」を計測するという作業を続けている。

とのこと。

東京ラブストーリー」や「踊る大捜査線」などの、90年代の代表的ドラマでは、CMやタイトルバックなどを除いた1回の実時間45分に対して「総カット数」はおおむね400カット。
1カットあたりの秒数が、およそ6〜7秒だった。

これが、2000年に放送された「池袋ウエストゲートパーク」(堤幸彦監督)では総カット数が、700を大きく超え、1カットあたりの秒数は4秒以下となった。

この堤監督がテレビドラマの演出を大きく変えたと言われ、実は、この4月から6月までの連続ドラマでは、なんと、平均800カットを越えるドラマが4本もある。
極端な話、この10年でカット数が2倍、つまり1カットあたりの時間が半分になってしまったのである。

ということです。
なるほど。目が疲れるわけだ。

1カット4秒以下というのは、かなり短く、おそらくもう、このあたりが限界でしょうな。これ以上短いカットを増やすと、肉眼では捉えられなくなり、そのうち、よほど動体視力がよい人でないと、見られないドラマ、なんてことになるかも。