2012-03-06から1日間の記事一覧

大都会は阿修羅のごとく

向田邦子の『阿修羅のごとく』(1979年)の冒頭は、心理描写の手本としてよく言及される。滝子が姉と電話で会話をしながら、曇ったガラス窓に「父」と書く。セリフで説明するのではなく、アクションで見せる。みごとな描写である。 ●図書館(朝) 冬の朝。 …