大震災の中心で「おらのチンポ、触ってけろ」と叫ぶ

 石井光太が『遺体―震災、津波の果てに』で東日本大震災のヒーローとして祭り上げた千葉淳が、十代少女への強制性交容疑で逮捕された。「週刊女性」(2020年8月4・11日号)の記事によれば、この男の地元での評判は最悪だという。
週刊女性」の記者は事件後の取材で千葉淳の「キモすぎる変態素顔」を暴いているが、ノンフィクション作家を名乗る石井光太は、千葉淳と一緒に講演会までやっていながら、その本性を見抜けなかったのである。あるいは変態だと知っていながら、ヒーローと祭り上げたのか。
 いずれにせよ石井光太の信用は地に落ちた。

 取材を進めると、容疑者の女グセの悪さに関する話が噴出。
 千葉容疑者の女性トラブルについて、石井(光太)氏は、「私は1度も聞いたことがありません」
 しかし浅間さんによると、「若いころは水商売の店をやっていたそう。常に若い子を追いかけていたようです」
 いくら女好きでも80近い老人がレイプなどできるだろうかと疑問に思うが、疑念を打ち消す出来事が。
 千葉容疑者をよく知る男性・田畑さん(仮名)によると、
「千葉さんは変態ですよ。どこかで出会った女性とのセックス動画を自慢げに見せて回るんです。いつも生々しいエロ話ばかりしています」
 と、今も健在だという千葉容疑者の変態性を暴露。
 さらに不倫までしていたという。
 田畑さんが続ける。
「同じ町内で、夫がいる50代の女性と不倫していました。ドライブ中、助手席に座る女性に“おらのチンポ、触ってけろ”とお願いしていたそうです。結局、千葉さんの奥さんに不倫がバレて、こっぴどく叱られたみたい」
 映画で描かれていたあの好人物ぶりは何だったのか?
 劇中では食料が限られるからと、配給を受け取るのを遠慮している様子だった。ところが実態は違ったようで、居合わせた町民が憤る。
津波で家を追われた人に炊き出しをしていましたが、全然足りない。おにぎりを2人で半分に割って食べるような状況でした。そこに千葉さんがやってきた。好き放題飲み食いして、お土産まで持ち帰って。周囲に“もう来るな”と怒られていました」
 極めつきは、千葉容疑者を映画のモデルにまで押し上げた遺体安置所での出来事だ。
「死体1体で1万円もらえるとみんなに自慢していました」(前出・女性)
 映画にも描かれていた、遺体安置所における千葉容疑者の献身。それさえも金銭目当ての行動だったと多くの町民が証言するのだ。
「彼は金になるなら何でもやる。当時、遺体の仕事をもらえるよう役所の人にごまをすっていました」(町内会の女性)
 映画の舞台あいさつでは、西田と千葉容疑者が涙を流し抱き合う感動的な場面があったのだが。あれは何だったのか……。
 冒頭の石井(光太)氏は死体1体1万円という証言について、
「当時は千葉氏本人だけでなく千葉氏の家族、ともに働いた市職員、釜石市長にも確認いたしました。その結果、全員から『ボランティア』という回答を得たので、著書の中でそのように記しました」
(「週刊女性」2020年8月4・11日号より引用)

 もともと石井光太の「ノンフィクション」には、疑惑があった。
『遺体―震災、津波の果てに』は第34回講談社ノンフィクション賞にノミネートされたものの、選考委員から酷評され落選。とくに野村進からは猛烈な批判を浴びる。

 海外ものなら、どんなに作り話を入れてもバレっこないとでも思っているのかなあ。この手法を認めてしまうと、誰も海外取材はしなくていいという結論になってしまいますよ。取材困難な箇所は、全部創作で埋めればいいわけだから。こうした著作を「ノンフィクション」とか「ルポルタージュ」と銘打って売り出してきた出版社の責任も重大です。
 また、この人の扱ってきたテーマを見ると、執筆動機そのものにも疑問を抱かざるをえません。

 この人は、社会的弱者への共感ではなく、むかしの見世物小屋的な指向で題材を選んできたような気がします。しかも徹底的に取材しているわけでもない。とりわけ、海外にいて反論できない社会的弱者を晒し者や作り話のネタにしてもいいのかと私は思いますね。

 第一、題材がこんなに重いのに、内容はなぜこんなに類型的で予定調和的なのでしょうか。このようなテーマでのノンフィクションの量産は事実上不可能なのに、なぜ次から次へと出せるのか。ようするに単なるネタ扱いで苦しむ人々に正面から真筆に向き合っていないためではありませんか。

 余談だが、選考会終了後、候補作となった『遺体』の著者と私との公開対談の企画が、その場に立ち会った編集者たちのあいだから、だれ言うとなく持ち上がった。この人物の著書をすでに十冊読み終えていた私は即座に承諾したが、先方はなぜか断わってきた。もし対談が実現したなら、私は事前に以下の三点を先方に依頼するつもりであった。
①私の知人のインド研究者が同席しての、ヒンディー語による即興の会話。
②彼のアジア・中東・アフリカ取材における、すべての通訳の実名と連絡先の紹介。
③彼のパスポートに印字された、ここ二十年間の外国出入国・全記録の開示。
(激論!講談社ノンフィクション賞選考会『g2』11号2012.09.20より引用)

 石井光太の真実こそ、ノンフィクションで暴露されるべきであろう。
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